[ﾌﾘｰの工作員である自分。今回はｸﾗｲｱﾝﾄであるDNA社の依頼でﾗｲﾊﾞﾙ社のRNA社に潜入、新製品のﾃﾞｰﾀを入手する依頼を受けた。事前の調査でﾃﾞｰﾀが格納してあるｻｰﾊﾞｰがある部屋を見つけていたため容易に部屋に侵入、あとはﾃﾞｰﾀを引き出すだけで任務完了となるはずだった。しかし…]

ｶﾀｶﾀｶﾀ…��

[暗闇に包まれているｻｰﾊﾞｰ室、ﾀｲﾄなﾎﾞﾃﾞｨｽｰﾂに身を包んだ男がﾊﾟｿｺﾝのｷｰを叩いている]

ﾊﾟｽは******っと…。
[容易にﾌｧｲﾙにかけられているﾊﾟｽを破り、ﾎﾟｹｯﾄから取り出したUSBﾒﾓﾘをPCに差しﾃﾞｰﾀの転送を開始する]

転送完了まで10分か。今回の任務も楽な任務だったな…。

[机に腰掛けてﾃﾞｰﾀの転送完了を待つ自分。すると廊下から足音が…]

ｶﾂ…ｶﾂ…ｶﾂ…��

(何だ？ﾋｰﾙの音？)

(この女…RNA側が雇った工作員か…)

[手を止め、立ち上がって女に向かって歩き出す]

政府の犬？
一体何の事でしょうか？
私はｻｰﾊﾞｰの調子が悪いからﾒﾝﾃﾅﾝｽを依頼してここに来たのですが…

何の事かさっぱり…
(ｸｽｯ…しばらく寝てくれよ…)

[次の瞬間、女の首に向かって突然廻し蹴りを繰り出す]

ぐっ…!?

(この女っ…俺の蹴りを!?)

ちっっ…!!がはっ…!?

[女からすかさずｶｳﾝﾀｰを入れられるが喰らう直前に身体をひねらせなんとか致命傷を免れる。口に溜まった血を吐き]

ﾍﾟｯ…!!
RNAも女を雇うとは随分と財政難のようで…。
こんなﾄﾞｷﾞﾂｲ真似をしてくるとは社員教育もしっかり出来てないようだな。

[女の攻撃にひるむ様子はなく軽口を叩いた後、構える]

なんなら俺がちゃんと社長教育してやるよ。

[指を前に突き出し挑発する]

そりゃどうも…。
そうせかさなくてもすぐに見せてやるよ。
ちゃんと俺を目で追えればの話だがな…

[相変わらず余裕の笑みを浮かべ、上から目線の発言に思わずｲﾗｯとしながらも平静を保ち]

(打撃技でいって下手に騒ぎになったらﾏｽﾞｲな。ここは絞め技で大人しく眠ってもらうとしますか…)

ん？ﾁｬｯｸ…？何言って…

[視線を下に移し股間を確認する]

ちゃんと閉まって…

[顔を上げると既に女との距離は詰められており一瞬で背後を取られてしまう]

(くっ…しまったっ…!!)

[抵抗しようにも女の長い脚を絡められ全く何もできない。そのまま首筋に針を刺され]

ぐっ…くっ…そっ!!
(ﾀﾞﾒだ…意識が…)

[すぐに薬が効き始めそのまま膝から崩れ落ちるように倒れる]

うっ…ぐっ…ここはっ…？

[目を覚ますと見知らぬ部屋に…。眠らされる直前にも身体を痛めつけられたのかいたるところに傷がありﾎﾞﾃﾞｨｽｰﾂも破けており、身体は縛りつけられた状態で椅子に拘束されている]

痛っっ…!!

(自力でほどくのは難しそうだ。そうか…俺はあの女に注射された後気を失ってここに…。あの女は一体どこに行ったんだ？)

おい!!いるんだろ？出てこいよ